《MUMEI》
年下とのキス
「あっあのあの、一目見た時から好きです! ぜひわたしと付き合ってください!」

…ツッコミどころの多い告白だな。

思わず冷静に思ってしまった。

……と言うかまず、ツッこむところが一つ。

「あの、アタシ、女なんだけど…」

「はいっ! 知っています! 先輩っ!」

………そうか。男には見られていなかったことに、ひとまずほっとした。

まあ髪の長い男はあんまりいないからな〜。

などと考えている場合じゃないか。
 
相手はアタシと同じ制服だけど、色が違う。

この色は一学年下…。そういえば「先輩」って呼ばれたっけ?

目の前にいる彼女は、入学当時から目立っていた。

理由は可愛いから。

そして………かなりのブリッ子だから。

それを隠そうともしないのが、ある意味、潔い。

「ええっと、ゴメン。あなたと関わった記憶が無いんだけど…」

「えっ…。…そうなんですか」

彼女は見て分かるほどに落ち込んだ。

「ゴメンね。でも言ってくれたら思い出すかも…」

「あっ、はい! 実はですね!」

…立ち直りの早いコだ。

そして彼女が言うには一ヶ月前、学校の帰り道でしつこくナンパされていたところを、アタシが助け出したという。

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