《MUMEI》

「あと十歳若ければなぁ、うひひっ」
おばあさんは図々しいです、十歳若くても七十歳のくせに。

「僕は気にしませんよ、おばあさん、好きです」

「エエエーーー」
周りの雀達はビックリです。勿論、嫁候補の親指姫も。

「雀王子、おばあさんのどこを好きに?」一羽の雀が聞きました。

「あの大きな桃太郎を軽々と抱える腕力 とか桃太郎を真っ二つにした包丁捌きとか、さっきの鬼の形相とか」
「おばあさんを見てると、背筋がゾクゾクして冷たい汗が出て、心臓がドキドキするんだ。これが恋心なんだね。」

「それ、違ーーう」
皆は雀王子にツッコミ、ました。

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