《MUMEI》
逃走?
道が合流するごとにヒトが増え、ソレを追うモンスターの数も増えていく。
「!街側の出口は悲惨な状況。死にたくなければ近づくな!!」
ウィンドウが展開し、絶望的なことを伝える。
「狩月!」
声をかけられ、走りながら声の主を探すと・・
「ボンカー。お前も居たのか!」
「あぁ!PT組んで狩りに来てたんだケド・・とにかくこっちだ!急げ!!!」
ボンカーの言葉に頷き、走り寄る。
「ここなら少しは安全だ。」
岩がくぼみ、走っていた道からは見えにくい位置にそこそこの広場があった。
そこにはボンカーのPTメンバーを含め、12人の冒険者が座り込んでいた。
「はぁはぁ・・」
「大丈夫か?」
走って来て息が切れている狩月に声をかけるボンカー
「怪我とかしてるなら治療してやるぞ?」
全身鎧を着た男が声をかけてくる。
「はぁ・・大丈夫・・です。」
その男に軽く頭を下げ、呼吸を整える。
「とにかく無事でよかったな。」
広場から外を覗きながらこちらに声をかけるボンカー。
無事、確かにそうなんだろう。
周囲には怪我をしているヒトも多く、中には死んでしまった仲間を囲んでいる集団も居る。
「6匹・・ガーロンドだ。第4階層以上の階層で戦える奴だけこっちに来い、後はここの守り固めとけ!」
そう声をかけ、剣を構える全身鎧の男。側に寄ってくるのは4人。
「ボンカー、補助魔法を頼む。」
「ああ、解った。涼しき風、健やかなる風よ・・彼らを包み力を貸したまえ。ヘイス。」
風系の第1階位。風の力で一時的に素早く動けるようにするための魔法。
「いくぞ!!!」

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