《MUMEI》

「そろそろ頭を上げたらどうだ…俺が泣かせているように見えるだろうが」
「お前が…泣かせてんじゃないかよォ///」

揺れるジェイミーの長い尻尾のようなポニテールを眺めながら、何となく悪い事をしたかな…とも思ったが、不貞腐れてるジェイミーに改めて俺の計画を話しはじめた。

「お前が元気になるような話をしてやろうか?」
「…ぇ〜元気になんてぇ〜…アキラを僕にくれるとかぁ〜?」
「…それに近い話かな、渡しはしないが…」

俺がそう言うと、後の言葉を遮るようにジェイミーは今までメソメソしていた顔をテーブルから上げて目を輝かせながら俺を見上げてきた。

「お前に協力してもらいたい事があるんだが…」
「えっ…な?…なに///アキラの為なら何でもするよ!」




「お帰りなさい、そんなに遅くは無かったですね」
「あぁ…」

ちょうどくるみを寝かしつけた後だったのか、くるみの部屋から出てきたアキラにお土産を渡すと、嬉しそうに笑ってくれた。

「ありがとうございます克哉さん、あの、今日お隣さんと仲良くなったんですよ♪」
「お前は誰とでも仲良くなれるな」
「そうですかね///」

キッチンに向かったアキラについていくと、その細身の身体を後ろから抱きしめた。

「わッ!冷たい!…外は寒かったんですね」
「アキラ、クリスマスのプレゼントが用意出来そうだぞ♪」
「えっ、あ…言っていたアレですかぁ、楽しみにしてますね///」

可愛らしい顔でにっこりと微笑むアキラを抱きしめると、その着ていた部屋着の中に手を入れて滑らかな肌に指を這わせていった。




あの後、ジェイミーは食後のケーキを頬張りながら二人で俺との計画についての入念な打ち合わせをした。

「じゃあクリスマスにまた会おうな!」
「そうだな、また連絡する…」
「ねぇ…」

一通り話しも済んで、テーブルから立ち上がろうとすると、ジェイミーが俺の袖口をつまんで引っ張ってきた。

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