《MUMEI》

その頃の生徒会室。


『あ…の、瑞乃くん
?』

乃里は、座り込む瑞
乃に声をかける。


『はあ…キスが…
乃里のキスが翠女史
と…』


『あのね…瑞乃く
ん…』

呆然としてる瑞乃の
前に、乃里が手に持
った物を見せる。


『な…に?それは』

透明な薄い…四つ折
にされた唇大のサラ
ンラップ。


『うん、私とみどち
ゃんの唇の間にね、
これがあったの。
だから…ね、してな
いよ、キス!』


目を見開いて乃里を
見る瑞乃に、頷いて
笑う乃里。


『翠女史〜見事に一
本取られましたよ』

全てを理解し、悔し
そうにする瑞乃であ
りました。

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