《MUMEI》 「ふふっ。でも嬉しいわ」 間近で見られる彼女の笑顔に、頭に血が上る。 「これからよろしくね」 「えっ、よろしくって…」 「もちろん、こういうことよ」 そう言って、彼女はアタシにキスをした。 甘く、柔らかな唇。 「ん〜!」 すぐに離れて、彼女はわずかに赤くなった顔で、額と額をくっつける。 「わたし、嫉妬深いんだから」 「そっそれを言うならアタシだって!」 彼女のことが好きだから。近付く人にはみんな嫉妬している。 「うん、とっても嬉しい!」 彼女は再び歩き出した。 「これからわたしの家に行きましょう。いっぱい話したいことがあるの」 「うっうん!」 「家に帰ってからも、毎日電話とメールしてね? 休日はデートで、登下校も一緒よ!」 「うっうん…」 ちょっちょっと、しんどそうだけど…。 「それから…」 「まっまだあるの?」 「もちろん!」 眩しい太陽の光を浴びながら、彼女は輝く笑顔を見せた。 「毎日好きって言って、毎日キスしましょうね!」 まっ毎日…。 ちょっと考えたけれど、それも良いかもと思った。 だって、繋いだ手の感触が、とても心地よかったから。 前へ |
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