《MUMEI》
フレアの変装
待ち合わせ場所にいたのは、コロナだけだった。


「フレアは?」

「車にいる」


珍しいな


普段車で待機しているのは、運転手のコロナだったから、クーは首を傾げた。


「会えばわかる」

「?」


コロナの言葉に、クーはますます首を傾げたが


「おはよう、三人共」


車に乗り込んだクー・エアー・アルゴンに挨拶したフレアを見て、納得した。


「…あんた、誰だ?」

「昨日と色、違う」


アルゴンとエアーが驚くのも無理は無かった。


ウフフと悪戯っぽく笑うフレアの肌は白く


髪も瞳も黒くなっていたのだ。


しかも、その髪型は、エアーと同じだった。


背格好もエアーと似ているフレアは、遠目から見れば間違えそうな姿に変装していたのだった。


「囮でもするつもりですか?」


チラッと、クーは後ろを


例の三人組が、現地ガイドと一緒にいる姿を見ながら質問した。


「正解。雑魚三匹は、私が担当するから」


…可哀想に


フレアに敵と認識された人間の末路を知るクーは、密かに三人組に同情した。


「さ、出発しましょう!」


フレアの声で、コロナが車を発進させた。

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