《MUMEI》
嵩き鍵
.
「じゃあ、行きましょう」
「ああ」
「眠……ぃい゙っ!」
皆の準備か整ったところで
宿を出た。
寝不足らしいリツの後頭部に目覚めのハイキックを入れて、ジンはレスカの後に続いた
村の人々は笑っていたり、走っていたのだろう、両足が地に着いていなかったりと
時を奪われたのがいかに唐突だったかが窺えた
「レスカ」
「なに?」
歩みを止めずにレスカはジンを肩越しに振り返った
「これから…何処に?」
行き先も知らずについて行くのはシックリこない
「石碑…」
レスカが歩みを止め、ジンに向き直す
「この村には言い伝えが刻まれた石碑があるの」
「石碑…」
「それに、何か手掛かりがあるはず」
レスカの碧には強い晶。
「…いてっ…なんでそんなこと…痛っ…わかんだよ」
リツが私に頭をつつかれながらぼやいた
「研究校で習うの。魔法技術の知識とか、全星、全世界の配置、風習とか…。ちゃんと頭に詰め込まないと」
レスカは笑った
「殺されるから」
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