《MUMEI》

乃里が座り込む瑞乃
の前にチョコンと座
り顔を覗き込んだ。

『瑞乃くんの焦った
顔、クスッ、初めて見
たよ…』

『なっ…乃里?だっ
て…あれは…その…
つまり…うぅっ』

顔を赤くして、シド
ロモドロになる瑞乃


『瑞乃くん…なんか
可愛いかも、クスッ』

乃里が、瑞乃の前で
笑い転げる。

『あーもー、乃里!
笑い過ぎ。』

乃里の肩を掴んで揺
すれば、近付き過ぎ
た二人の顔。

…ドキドキドキ…
微妙な空気に心臓が
早鐘のように鳴る。

『あ、のさ…乃里。
その…キスしても良
い…かな?』

『ほ、ほぇっ!?み
瑞乃くん?!』

乃里の声が裏返る。


乃里の肩を掴む手に
力がこもり、瑞乃は
乃里を抱き寄せて…
そうっと、乃里の唇
に自分の唇を重ねた

触れるだけの優しい
キス。だった。

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