《MUMEI》

『OH!遂にキスし
ちゃいマシタね。』

『…あー乃里っ…』

木の上から双眼鏡で
生徒会室を覗く、翠
とラインハルト有栖
川。


『もう、ミドリが入
る余地は無いデスヨ
あの二人の間には』

『分かってるわよ、
乃里が幸せならいい
の、私は。』

ラインハルト有栖川
の言葉にプイッと横
を向く翠。

そんな翠に、ニヤリ
と笑ってラインハル
ト有栖川は言う。

『そういえば、さっ
きミドリは、ワタシ
のお陰言いマシタね
?』

『言ったわよ。』
翠が頷いた。


『だったら、お礼し
て下サーイ!』

『お礼?』
訝しげに見る翠。


『ハイ、ワタシ…ミ
ドリのキスがいいデ
ース!勿論、唇にデ
スヨ。』

『な、何を、この…
エロ男!』

ジリジリと詰め寄る
目の前の男に後退り
するも、木の上で身
動きが取れない。

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