《MUMEI》

熱い舌が自分の口内を蹂躙し、唇も何度も重ねられ、奪われる。


「っ、ん、阿…騎っ…」


うまく呼吸をすることも抵抗もできず震える拳で相手に抗議する事しかできない。

「リュウ、君が欲しいんだ…」


口付けはそのままに、阿騎の手が上着の裾から侵入し、肌に触れる。

!!!!!!!


その事実に体は何より早く反応した。


「は、放せっ…!!」


渾身の力で体を引き離し部屋の中へ逃れようとする。

「リュウっ!」


聞いたことのない必死に自分の名を呼ぶ声に一瞬足が遅くなる。


「行くな!」


声と共に腕を捕まえられ、引っ張られた。


「う、わっ」


バランスを失い倒れる。

そのまま阿騎に再び捕らえられ、倒れこんだソファーに仰向けに押し付けられる。

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