《MUMEI》

だがすぐにあの冷徹な目付きに変わった。


「何のようだ、坊主?」


鼻で笑い、見下したように言う。


俺は九条を睨み上げて怒鳴った。


「なんでわざと先輩にぶつかったんか?!」


「なんでって?

事故だから理由もねぇだろ?」


「わざとだって知ってんだよ!」


「そう言う根拠は?」


九条はまたも見下したように俺を見やり、
せせら笑う。


「しらばっくれんなや!」


俺の怒りはついに頂点へ達した。


九条の来ている、
ユニフォームのシャツを掴む。


そして右手を上げて、
奴の顔に目掛けて拳を振り下ろした。

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