《MUMEI》
Neuer alterer Bruder.新しいお兄ちゃん。
武とかなた。「夏祭り。」
http://mumei.org/public/w55931.htm
の前になる話。
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ピンポーン♪

「はーい」

普段、めったに鳴らないチャイムが鳴った。

克哉さんだったら合い鍵を持ってるからチャイムなんて鳴らさないだろうし、それにさっき一人で出て行ったばっかりだし。

もしかして、取ってないから新聞の勧誘かな…それだったら困るなぁ、居留守使えば良かったかも。

そんな事を思いながら玄関のドアに付いているスコープを覗くと、顔はよく見えなかったけど金色の髪の子供達が玄関先に立っているのが見えた。

(…子供?)

僕に子供の知り合いなんか居ないし、ピンポンダッシュだったら真っ先に逃げているだろうし。

何だろう…?

「あのーアキラさん家だよね?克哉兄ちゃの…」
「えっ、あぁ…もしかして克哉さんの…」

ドアの向こうの子達が言っていた”克哉”という名前を聞いて、そういえば克哉さんに弟さんが居たような事を思い出した。

記憶を辿ると、僕がホテルでボーイをしていた時に見た克哉さんの隣に座っていた、あの天使のような二人。

「キミ達は…」
「やっぱりココで合ってたんだよはるちゃん!」
「お前にナビゲートさせると途中でウロウロ寄り道するからヤだったんだ、携帯返せよ!」

扉を開けると、玄関先で痴話喧嘩していたのはやっぱりあの時見てた綺麗な双子の男の子達だった。



「こんにちは」
「えへへ///こんにちはアキラさん///」
「えっと…キミ達のお兄さんなら今さっき用事があるからって出て行ったばっかりだよ…」

そう言うと目の前の男の子達はお互いにそっくりな顔を見合わせてから、髪の毛がクリクリで元気が良さそうな子が僕にニッコリ笑いかけてきた。

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