《MUMEI》 ―帰りたい、と。 すると村人の表情が一変しました。 恐ろしい顔付きになり、そして…満面の嫌な笑みを浮かべながら、彼女に襲い掛かったのです。 ボリッ ガリッ ゴリッ ビジャッ 彼女は声を上げるヒマもなく、村人に食い殺されてしまいました。 やがて女の子を食い終えた村人達は、残念そうにため息をつきました。 「せっかくお嫁さんになってくれると思ったのに…」 「まあしょうがないな」 「残念だったな」 「でもまあ…ウマかったよ」 口元の血を舐めながら、村人達は満足そうでした。 そう、この村に来た外部の人間は、エサになるか村人になるかの、どちらかしかないんです。 何せ封鎖的な村ですからね。 肉にも飢えていますし、人口も年々減っています。 農業でやっていくにも、限界がありますからねぇ。 閉鎖的なだけに、外部との表立っての接触は持たない。 ただ、ボクの連れて来る人間を、待つだけの存在。 けれどボクはその役目に満足しています。 だって…食い殺された人間の残骸で作られたエサって、とっても美味しいんですもん♪ 前へ |
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