《MUMEI》 だから今更恨まれても、と思う。 でも友人情報では、彼は未だアタシに未練があるらしく、彼女にとってはそれがおもしろくないんだろう。 友人達は彼に恨みを言おうと言ったが、めんどくさいので止めた。 けれど……。 アタシは学校をサボって、彼女の学校の校門前に来た。 セーラー服の群れの中に、一人ブレザーの制服のアタシは目立つらしい。 通り過ぎる女の子達が、アタシを見てコソコソ話をしている。 そして群れの中で…一人、俯いた彼女を見つけた。 アタシは歩き出し、彼女の腕を掴んだ。 「きゃっ!?」 「おはよう。アタシのこと、忘れてないよね?」 彼女はアタシを見て、真っ赤に染まった。 コレは…忘れられていないんだろうな。 「ちょっと話があるの」 アタシはそう言って、彼女の腕を掴んだまま、歩き出した。 「ちょっ…ちょっと!」 そして近くの公園に来た。 時間帯のせいか、人はいない。 「離して!」 「いいよ」 アタシは彼女の腕を離した。 彼女はアタシから視線をそらし、バツの悪そうな顔をした。 「…文句言いに来たの?」 前へ |次へ |
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