《MUMEI》 …この子、見た目に反して結構行動的というか、直情的と言うか…。 涙を流しながらも、顔を上げて、眼を閉じた。 その一生懸命さも、可愛く思えてしまう。 「じっじゃあ…」 アタシは彼女に近付き、顔を覗き込んだ。 ああ…可愛い。 アタシだったら、絶対彼女を離さないのに…。 そう思っていたら、アタシは彼女を叩くどころか、 キス―をしていた。 彼女の涙の味がした。 「…っ!」 彼女は驚いて眼を開け、そして、 バチンッ! …二度目だ。 「何するの!?」 「あっ、いや、つい…。可愛かったものだから」 殴られた頬を押さえながら、それでもニヤけてしまう。 「あっあなたって…!」 彼女は耳まで真っ赤になり、口をパクパクさせた。 そしていきなり、抱き着いてきた。 「―へ?」 「あなたって…どうしてそうなの?」 「そうって言われましても…」 「…ズルイ」 「うん?」 とりあえず抱き締め返しながら、アタシは彼女の言葉に耳をすませた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |