《MUMEI》 目的地までの近道「あ、あのさ。この防護服、脱いでもいいかな?」 いい加減、重いんだけど ゴーグルとマスクは通常の物になり、息苦しさは無くなったが、相変わらずアルゴンは不満を訴えていた。 「いいけど…」 「いいが…」 「?」 「結局持って移動だから、重いですよ」 言いにくそうなクーとコロナのかわりに答えたのは、サンだった。 …そうだった 恥ずかしくなったアルゴンは、真っ赤になりうつ向いた。 「近道しましょうか?」 「え!?」 「何?」 「そんなのあるの?」 「…の?」 サンの言葉に、全員が反応した。 やっぱりエアーも疲れてたんだな 無反応だったエアーが反応した上に喋ったので、クーがそんな事を考えていると 「はい。道は少し狭くなりますが、かなり時間は短縮できます」 「険しくは無いか?」 「危険性はあまり無いです。この辺りは、野生動物も少ないですし」 「…ふむ」 これなら、大丈夫か サンとルートを確認したコロナは、サンに先導を頼み、自分は最後尾につく事にした。 一応、念のために、他の順番はアルゴン・クー・エアーになった。 前へ |次へ |
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