《MUMEI》
目覚めたフレア
フレアが目を覚ますと、真っ白い天井が見えた。


「ここ、…は? ッ!」


ズキズキと痛む頭


込み上げる、吐き気をフレアは必死に耐えた。


頭痛・吐き気・倦怠感…


「アルコール…」


自分の症状を分析したフレアは、原因を口にし、顔をしかめた。


油断、した…


脳裏に浮かぶのは、怯えた顔をした三人組


その中の


最後にフレアが殴った人物


その男が、反撃の為に取り出したのは、一本の小さな針だった。


南国の人間がアルコールに極端に弱い事は、国外でも一部の


何度もバカンスに来るような、裕福な人間しか知らない。


だから、フレアも


まさか、その針に自分を気絶させるだけの大量のアルコールが含まれているとは知らなかったのだ。


「お目覚めですか、フレアさん」

「…最悪な、目覚めだけどね」


苦笑しながら、フレアは目の前にいる


顔馴染みの刑事を見つめた。


「逮捕した三人組は現在取り調べ中です」

「そう。…コロナに連絡は取れた?」


自分が来なければ、コロナは心配するだろうとフレアは思っていた。

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