《MUMEI》
取れない連絡
「それが、あの辺りは電波が悪いので、取れないのです」

「…全然?」

「はい」

「それはちょっと、…おかしいわね」


危険地帯ならともかく、森や


クーが空気を収集する場所は、電波がいいはずだ。


「連絡は、どのくらいの間隔で入れた?」

「三十分毎には」

「それなら、尚更おかしいわ」


どんなに急いでも、森に入り、作業を終了し、また危険地帯に入るまでは、一時間はかかる。


事実、サンがルートを短縮しても、アルゴンがお茶会を開いたから、クー達は、一時間以上森に滞在していた。


「要注意人物が動いたの、かも」

「…三人組に、アルコール針を渡した人物、ですか?」

「おそらく」

「カイロ刑事!」

「っ…」

「静かにしろ」

「す、すみません」

「どうした」


頭痛に苦しむフレアを気遣いながら、カイロは部下に質問した。


「三人組とガイドは、グルだったようです。ただ…」

「何だ?」

「三人組に、上司に無理矢理連絡を入れさせたのですが

上司が雇ったランクAの『サン』というガイドは、女性なのに

三人組が実際会った『サン』は、男性なんです」

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