《MUMEI》 ガシッ! だが即座に、 九条は俺の右手を掴み上げた。 そして今度は反対側の手で、 俺の胸倉を掴む。 「お前も痛い目に会いたいのか?」 互いの鼻がぶつかりそうな程に接近すると、 九条は顔を歪めた。 言わずとも、殺気がビンビン伝わって来る。 「やっぱりわざとなんやな。」 俺は視線を逸らさずに、 真っ直ぐ九条を見据えた。 本当はめちゃめちゃ怖かった。 けど、それを奴に悟られたく無かったんだ。 「だったらなんだ?」 「俺が先輩の仕返しをしたる。」 「は? 青二才のお前に何が出来るんだ?」 「青二才やない。 俺だって経験歴は長い。 ……嘗めんな。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |