《MUMEI》

「ほーう、なら見せて貰おうじゃん?」


俺達の話を聞いていたのか、
榊原が後ろから進み出て来た。


「お前っ!」


奴の胸糞悪い笑顔を見て、
奴との会話を思い出した。


俺は九条の手をなぎ払うと言った。


「お前ら絶対許さへん!

なんでこないなことせなあかんねん!

元はチームメイトやったんやろ?

なんか因縁でもあるんか!?」


そう、元はチームメイトだった筈だ。


共に練習で汗を流し、
励ましあい、
必死になってレギュラーを勝ち取った仲ではないのか?


少なくとも、
俺にもそう言う奴等はいた。


目の前で真剣に俺の話を聞いてくれている、
一希と智哉を見て目を細めた。


だが、奴等から出た言葉は、
あまりに意外すぎた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫