《MUMEI》

『わあぁぁ!!』

雪うさぎは、嬉しく
て…ピョンピョン飛
び跳ねます。

ーぴちょんー

初めて見る黄色いお
花(たんぽぽ)

ーぴちょんー

初めて見た白くてフ
ワフワ飛ぶ物(紋白蝶)

ーぴちょぴちょんー

雪うさぎの跳ねた後
に残る跡。段々、増
えていきます。

それと共に、少しづ
つ小さくなっていく
雪うさぎ。

夢が叶った雪うさぎ
は幸せでした。

でも、春の柔らかな
日差しは暖かでした


ポルンは知らなかっ
たのです。


『雪うさぎさん、体
が…消えちゃう!』

ポルンが気付いた時
は手遅れでした。

雪うさぎは、春の陽
気の中、フワッと消
えてしまいました。

目玉だった、赤い南
天の木の実を二つ地
面に残して…。


『ポルンさん、あり
がとう!ずっと友達
でいれなくてごめん
ね…』

そんな言葉を残して
…雪うさぎは、溶け
て蒸発してしまいま
した。

ポルンは、南天の実
を手の平に乗せて大
声で泣きました。

ほんのちょっとしか
一緒にいれなかった
初めての友達、雪う
さぎを想って……。


…おしまい…

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