《MUMEI》 逃げるべきか・・留まるべきか「炎の精霊イフリートよ!その劫火をもって、我が敵を灰燼に帰せ!フレイムシャワー。」 「疾く、疾く、走る風、紡ぎて、織り成し・・シルフよ、力を貸したまえ、エアロダンス!」 魔導師とボンカーが魔法を放つ。 炎系第5位、火の雨によって焼き払う広範囲精霊術。中空に展開された魔法陣からロックリザードに向かって火の雨が降り注ぐ。 ボンカーの放った精霊術が真空波によって傷を負わせていくが・・あまりに大きすぎるため、ダメージを与えているようには見えない。 「うらああああああ!!」 声と共に斧を叩きつけるが・・ 「くそ硬え!!なんだよこいつ!!」 「第7階層の化け物だ!」 突きによって何とか硬い鱗を貫くがダメージはなさそうだ。 「爆ぜよ!!」 符が放たれ爆発するがソレさえもあまりダメージを与えている様子は無い。 ブウウン!! 大きく振るわれた右の前足。ガードした剣ごと吹き飛ばされるロングッス。 壁に叩き付けられ、地面に倒れこむ、どうやら相当の重傷のようだ。 「逃げろ!!!!」 声を張り上げ、立ち上がろうとするロングッスだが、その声に反応したロックリザードによって再び壁に叩きつけられる。 「うおあああああああああああああああああああ!!」 斧を叩きつけ注意を引こうとする男。それが功を奏し、そちらに向かって攻撃を仕掛けるロックリザード。 「早く逃げろっ!!」 叫ぶと倒れているロングッスの元へと駆けていくアーチャー。 次々と出口に向かって走っていくメンバー。 「ボンカー、君も早く逃げな。ほら、そこの君も!!」 符術士が狩月とボンカーに声をかける。 「か弱い女性を残して逃げるのは俺の主義に反するからな。貴女が逃げた後なら喜んで逃げるさ!」 ボンカーがニヤリと笑い、マジックショットを放つ。 「狩月、お前はさっさと逃げろって。おいしい役は俺がいただくぜ。」 そう言われて狩月も笑い返す。 「残念だけど・・腰が抜けてな。逃げるに逃げられないね!」 二人のやり取りに符術士はありがとうと短く言い、自らも囮になるべく符をばら撒きながら走る。 「あっはっは!!お前等かっこいいぜ!!」 豪快に笑いながら斧を叩きつける男。ロックリザードの振るう腕に吹き飛ばされ、何箇所か傷を負っているが気にした様子も無く動き回る。 「離れてください!!」 声を上げると、エミの特製、「炸裂筒」を1本投げつける。 前へ |次へ |
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