《MUMEI》 ………まぁ、今日我慢すれば、明日から休みだし。 真尋は心の中で自分を励まして、電車の揺れに身を任せていた。 そのとき。 腰の辺りに違和感を覚え、真尋はひとり、眉をひそめた。全神経を集中させて、ジッと身体を強張らせる。 《何か》が、彼の腰元を掴むように触れているのを感じた。 ………まさか。 不意に、嫌な予感が胸をよぎる。 その《何か》は、真尋の腰から太股を撫でるように滑り落ちては、またゆっくりとのぼってくる。 何回かその動きを繰り返した後、《何か》は、一旦、股の付け根で動きを止め、今度はラウンドさせながら、ジリジリと股間の方へ移動してきた。 真尋は小さくビクリと身体を揺らす。それと共に、不快感が全身を駆け巡った。 《何か》は、真尋のその反応を楽しむかのように、ゆっくりとしかし確実に彼の敏感な部分に迫ってくる。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |