《MUMEI》

「クズが」


檜泉は吐き捨てるように言った。


放れていく不良たちを睨みつけ後、檜泉は雹里を見た。


「雹里ちゃん大丈夫?」


檜泉が覗くようにして顔を見た瞬間、コテンと本を持ったまま、横に倒れた。


「えっ?」


雹里はすやすやと寝ていた。


「やれやれ」


檜泉は雹里の隣に座り、雹里が読んだいた本を取り読み始めた。

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