《MUMEI》
エアーの限界
これは…追い付かれるのも時間の問題だな


クーは、エアーの様子を見て思った。


元々エアーは、クーと会ってからずっと室内で生活していた。


そのエアーは、かなり必死で今、初めて


クーは知らないが、生まれて初めて走っていた。


その速度は、一般女子より遅く、成人男性


特に、今追ってくるノームなら、余裕で追いつくものだった。


ちなみに、エアーのオリジナルであるソラリアも、体が弱かった為、速く走る事はできなかった。


…ん?


その時、クーは、奇妙な事に気付いた。


ゴーグルに内蔵された熱探知機の反応が、一気に増えたのだ。


まだ、距離はあるみたいだけど、これは、…何だ?


それは、警察の特殊チームが、危険地帯に入った事を意味していた。


イチカバチか、行ってみるか


エアーの限界を悟ったクーは、一番近い反応を目指して進み始めた。


そして、その反応が、人の輪郭をとり始め、着ている防護服にこの国の警察のマークを確認したクーは


良かった


それまでずっと切らさなかった集中力を


一気に落としてしまった。

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