《MUMEI》
命がけのゲーム
ノームが奪ったコロナのスタンガンは、出力を三段階に調節できた。


通常人に当てるのは、中間にあたる出力だが


コロナが受けたのは、大型動物用の最大出力であり


クーが受けたのは、最小出力だった。


「…? ここは?」


だから、すぐにクーは目を覚ました。


「ここは、崖の中間。丁度いい空間でしょう?」

「…サン」


目の前には、相変わらず呑気な口調のノームがいた。


「それは本当の俺の名前じゃないんだけど、…まぁ、いいか」

「エアーは?」

「無事だよ。それより、自分の心配をした方がいいんじゃないか?」

「僕を…どうするつもり?」


殺すなら、いつでも


さっきでも、できたはずだ


「ゲームをしようと思って」

「ゲーム?」

「そう。君の命をかけたゲームをね」

「な」

「君に拒否権は無いよ。拒否したら、殺すから」


それは単なる脅しだったが


この状況では、クーは


「内容は?」


ゲームを受ける以外の考えは、浮かばなかった。

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