《MUMEI》
三十秒間全力疾走
クーは走った。


死にたくない、殺されたくない


…エアーに、会いたい


必死で走った。


エアーの呼吸は独特だ。


空気屋であるクーは、その気配を、無意識に追っていた。


後半


クーは、必死でエアーの気配を追いかけるあまり


目を瞑って走っていた。


途中、大きな怪我をしなかったのは


研ぎ澄まされたその神経が


無意識に、危険な空気を感知していたから


かもしれない


とにかくクーは必死で走った。


危険地帯を防護服無し、マスク無しで全力疾走するなど、他の人間には自殺行為だったが


クーは、違った。


そして、三分が経った時。


「エアー!」

「クー!」

「「無事で良かった!」」


クーとエアーは再会を果たし、警察の特殊チームによって保護された。


その後、『偽者のサン』の捜索が行われたが


ノームは見付からず


かわりに


制服を奪われた、隊員が一人


遺体で発見された。

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