《MUMEI》
社長の目的
O2カンパニー社長の別荘周辺は特に警察の警備も厳しく


特殊チーム隊員を見かける事もよくあった。


そして、この国の警察の制服は『赤』だった為


血が付いていても目立たなかった。


そうした状況だったので、ノームは堂々と、正面玄関を通って、社長室に向かった。


コンコン


「入りなさい」

「失礼します」

「お疲れさま。ノーム。報告を」

「はい。エアー様は、クルクルの実を食べる事により、グリーン博士から与えられた栄養剤を飲んだ時と同じような効果を得られていました。

それに、社長がエアー様を初めて見た時よりも、遥かに表情豊かで

お元気だった頃のソラリア様とそっくりです。

そして、クーという少年は、社長の予想通り、やはり、心肺機能が以上に発達していました」

「そうか」


クルクルの実が、本当にグリーン博士の栄養剤と同じ効果があるのか


今のエアーに、ソラリアのような感情、特に笑顔はあるのか


クーは、空気屋の特徴でもある丈夫な心肺を持っているのか


それが、社長の知りたかった事であり


その為に今回ノームは動いたのだった。

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