《MUMEI》

怯んでいる真尋をよそに、女とサラリーマンの争いは続く。

「変な言いがかりは止めろ!!大体、この子は男だろう!?学生服を来てるじゃないか!!」

サラリーマンは怒りで顔を赤くし、真尋が来ている詰襟の制服を指差して捲し立てたが、女はどこ吹く風と言わんばかりにケラケラ笑い、

「最近ソッチ系の趣味の人、多いじゃん?別に珍しくもないでしょ?」

飄々と答えるのだ。

女の言動と態度に腹を立てたサラリーマンは、「いい加減にしろ!」と、声を荒げる。

「これ以上おかしなことを言ったら、警察呼ぶぞッ!?」

脅しにかかった彼に、女は冷たい一瞥を与え、「呼べば?」と素っ気なく言った。

「わたしは構わないよ。逆に、ケーサツ呼んで困るのは、そっちだと思うけどね」

感じ悪く吐き捨てた女に、サラリーマンはグッと言葉を飲み込んだようだった。

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