《MUMEI》
出来る事を・・&エミ製爆弾
ドゴォォォン!!
派手な轟音が響き、ロックリザードの右の前足が僅かに抉れ飛ぶ。
「ひゅ〜派手ないい物持ってるじゃねぇか!後、何本残ってる?」
こちらの側まで下がって来た斧を持っている男が声をかけてくる。
「4本!」
「渦巻きし風よ!荒れ狂いて・・切り刻め!!ウィンドカッター!!」
ボンカーが隣で魔法を放つ。
「ぐがあああああああああ!!」
ロックリザードが大きな奇声を上げ、口から岩をボンカーと狩月がいる辺りに吐き出した。
「おらあああああああ!!」
斧を大きく旋回させ岩に叩きつける男。
「受け取り拒否じゃこんなもん!!!」
バキン!!
鈍い音と共に男の斧の柄が砕けるが、岩は狩月たちが居る少し手前の所に落ちた。丁度、盾のようになっている。
走り抜けていく人影。
狙いは抉れてむき出しになっている右の前足。
符を次々と放つ。
「爆ぜよ!!」
声に応じるように突き立った符が爆発する。
「グがアアアアアウウ!」
怯んだ。チャンスとばかりに足を止め大量の符を投じる。
「前に出すぎだ!!下がれってば!!」
ボンカーが符術士に向かって走る。
「おう、兄ちゃん!さっきのイカスアイテム。俺に貸しな!うまくすれば・・倒せるぜ!!」
狩月は迷わず、男に残った4本の炸裂筒を渡し、使い方をざっと説明する。
「これ引っこ抜いて投げれば、爆発すんだな?」
「そうです!だけど・・表面を抉るくらいしか・・」
「任せろってんだ!!」
受け取り、そのままダッシュしていく男。
ブン!!
足を止めていた符術士に向かって尻尾が高速で振りぬかれた。
射程外、そう判断したのが間違っていた。
「きゃ!!」
ミシャ・・
何かが潰れるような音と共に地面を転がっていく。
「ごふ・・これで無傷だったら・・かっこいいんだけど・・な。」
口から血を零しながらボンカーが抱きしめていた符術士を離す。
「な・・」
ボンカーが庇ったお陰で、まだ動くことができる符術士が呆然と声を上げる。
「ま・・女に怪我させた時点で・・ダメダメだよな・・・」
そう言うと気を失った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫