《MUMEI》
帰ってきた実感
「どうしたんだろう、キセノン」

「そうね」

「きっと急患だろ!」


アルゴンが言う通り、医者であるキセノンは、急患の知らせを受ける事が多々あった。


しかし


それにしては、様子がおかしかった


クーとネオンは、通話中のキセノンが、いつもと違う対応だったのを気にしていた。


「とにかく、帰ろうぜ!」


説教地獄から逃れたアルゴンは、その違和感には気付いていなかった。


「…そうだね」


エアーも休ませたいし


エアーと目が合うと


「帰ろ」


エアーはそう言って深く頷いた。


「そうね。二人は帰って休まないとね。

アルゴン。

全員分の荷物持って」

「俺も疲れてるんだけど!」

「うるさいわね。

あ、帰ったら、私がキセノンのかわりに説教の続きするから」

「だから、俺も疲れてるんだけど!」


アルゴンは必死で訴えたが、ネオンはそれを無視した。


何か、和むなぁ


いつもと同じその光景に、帰ってきた事を改めて実感したクーだった。

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