《MUMEI》
社長との再会
「綺麗になったね」


キセノンが社長に会ったのは、子供の頃


ソラリアが入院していた頃だった。


「…ありがとう、ございます」

「まぁ、私はソラリアの方が好みだけど」


そう言って、社長が見つめた先には


コールドスリープカプセルに入ったソラリアがいた。


「こんな所に、…いらっしゃった、ん、…ですね」


社長が移動したので、キセノンからもソラリアの姿が確認できた。


こんな、所に、閉じ込めて


「キセノン」


怒りに震えるキセノンに、ライトが優しく声をかけた。


「キセノン」


キセノンの震える拳をそっと握り、ライトは電話で言った用件をもう一度告げた。


「社長はようやく

ソラリアさんのコールドスリープを解除する事に

同意して下さったよ」


ライトの言葉に、キセノンは社長を見つめた。


「ここ最近、…特に出張中、いろいろあってね。

もう、ソラリアを眠らせてあげたいと思ったんだ」



社長の言葉に、嘘偽りは無かった。

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