《MUMEI》
社長からの依頼
コールドスリープから解除された数秒後


ソラリアは、動かなくなり


「…ご臨終です」


ライトが死亡を確認した。


「ノーム」

「はい」


…いたんだ


驚くキセノンの横を通り過ぎ、ノームはソラリアを


遺体用のビニールで包み始めた。


それは、宝物を包むように丁寧な物だったが


やけに手慣れていて


淡々としている事に、キセノンは背筋が寒くなった。

やっぱりあの男は、危険だわ


「失礼します」


ソラリアの遺体を抱えて出ていくノームを見て、キセノンはますますその思いを強くしていった。


「さて、ライト。キセノン。君達にはもう一つ頼みたい事があるんだ」

「「っ!?」」


ライトとキセノンは、絶句した。


社長の口調は明るく、しかも


その顔は


…笑っていたのだ。


ソラリアに対する愛情や執着を知るライトとキセノンにとってそれは


信じられない光景だった。


「ちゃんと話を聞いてくれないと困るんだが…

大丈夫かい? 二人共」

「「…」」


結局話は、社長室に戻ってから行う事になった。

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