《MUMEI》
依頼内容
「それで、依頼、とは?」


先に復活したのはライトだった。


「始めていいかな?キセノン」

「… はい」


しっかり、しなきゃ


キセノンも、仕事モードに入った。


「二人には、臓器移植手術をお願いしたい」

「オゾン君の、ですね?」

「ライトには、ドナーの方を頼みたい」

「と、言いますと?」

「ドナーの心肺を取り出した後は、わが社と提携している人工臓器会社の最新型を移植してほしい」

「それは無茶です」


それまで黙っていたキセノンが、社長の訴えをきっぱり拒絶した。


「どこが無茶なんだい?」


社長の口調はノームのように


優しいが、威圧感があった。


しかし


「人工臓器を二つも移植したら、その人間は今までと同じ生活ができなくなります。

これは100パーセントの確率です」


負けるもんですか


医学に関して、キセノンは医師として、社長に屈するわけにはいかなかった。


「その100パーセントは、今までの数値だろう?」

「ドナーを実験体にするおつもりですか?」

「そうは言っていないが

今回、ドナーには多額の報酬を支払う予定だ」

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