《MUMEI》
ライトの提案
「そういう問題じゃあ…」

「とりあえず、肺だけ移植したらどうじゃろう」

「パパ?」

「ドクター?」

「オゾン君は、心臓より肺が弱い。

心臓は、普通の人間よりほんの少し弱いだけじゃが、肺は、すぐにでも移植したいほどに深刻じゃ。

とりあえず肺を移植して、拒絶反応が無いか確認してから心臓移植をした方が良いじゃろう」

「二回手術する事による負担は?」

「一回長時間の手術するよりは少ない。のう、キセノン?」

「…えぇ」


本当は、少し違う。


ライトとキセノンの


特に、キセノンの手術スピードはトップレベルだ。


だから、普通長時間かかる手術も、短縮される場合が多い。


しかし、キセノンはドナーの為に、ライトに同意した。


それは、ライトがオゾンの心配を装って、ドナーを心配しているのがわかったからだった。


「ちなみに、肺を移植すれば、オゾンはどうなりますか?」

「パーティーで、マスクをつける必要は無くなるじゃろう」

「スローテンポのダンスなら踊れるわ」

「…わかりました」


こうして


オゾンの誕生日の前に、肺移植手術が行われる事が決まった。

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