《MUMEI》
ドナーについて
手術について、ライトとキセノンには、不安な事が一つだけあった。


それは


肝心のドナーの資料が全く無いのだ。


『心配しなくても、とても丈夫で発達してますから』


社長は自信満々に告げただけで、結局ドナーの資料をくれなかったのだ。


「ドナーの同意書は、あったのよね?」

「あぁ、それは確認した」


確かに、ライトは


ライトだけは、ドナー直筆だという同意書を確認した。


キセノンは、オゾン担当だからと、オゾンの資料は大量に渡されたが


ドナーに関しては、何も関わる事ができなかった。


それは、仕方ない事だった。


キセノンは、ライトよりもドナーに関わり


ドナーの筆跡を、知っていたから


それを知る社長は


ドナーの正体がバレないように、ライトにしか同意書を見せなかったのだった。


ライトとドナーも面識はあったが


ライトはドナーの筆跡を知らなかったから。


ライトがドナーの正体を知ったのは、手術前の事で


キセノンがドナーの正体を知ったのは、手術後の事だった。

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