《MUMEI》
オゾンからの招待状
クー達が、マンションのロビーに到着した時


マンションの一階に設置してあるポストの


クーのネームプレートが光っていた。


それは、クーに郵便物が届いた事を意味していた。


珍しいな


空気屋の依頼は、クーの携帯か、ネオンのパソコンにメールで届く。


唯一、郵便として来るのは、このマンションの家賃・高熱費の領収証だけだが


それは、今の時期ではないはずだった。


「珍しいわね、郵便なんて」

「領収証は、まだ先だぞ」


ネオンとアルゴンも、クーと同じ事を考えていたらしく、首を傾げた。


とりあえず、開けよう


クーは、ネームプレートに手を置いた。


すぐに、指紋認証システムが作動し


鍵が開く、音がした。


中に入っていたのは、一枚の白い封筒


「オゾンからだ」


それは、オゾンからクーへの誕生日会の招待状だった。


ただし、指定された日付は、誕生日より前で


臓器移植手術予定日の、前日になっていた。


…ん?


部屋に戻って、改めて中身を確認したクーは、オゾンからの招待状の他に


もう一枚の紙がある事に気付いた。

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