《MUMEI》
with classmates
窓に張り付き、再び二人の様子を眺め見ようとしたが、電車はすでに駅を通りすぎていた。

移り変わる景色をぼんやり見つめ、真尋は深いため息をついた。



******



結局、真尋はそのまま学校へ向かい、遅刻することもなく無事自分のクラスにたどり着いた。

しかし、朝から色々巻き込まれたせいで、気持ちが疲れきっていた。

「…おはよー」

沈んだ声で挨拶した彼に、派手な外見の男子生徒が近づいてくる。
同じクラスで友達の、夏目 政樹(ナツメ マサキ)だ。

政樹は真尋の肩にもたれ掛かり、「おはよー!」と甘えてくる。

「どしたの、真尋ちゃん!朝からテンション低くね?」

ベタベタとまとわり付いてくる政樹の腕を押し退けながら、真尋は「ほっとけっ!」と毒づく。

「お前は朝からウザいんだよ!それと、『ちゃん』付けヤメロ!!キモい!」

悪態をつく真尋から離れながら、政樹は「怖ぇ〜!」とおどけた。

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