《MUMEI》

『落ち着いて下さい
ね、夢視様。何かあ
ったのですか?ここ
最近で?』

ユウリが優しく問い
掛けるが、夢視は固
く口を閉じたまま首
を横に振る。


…言いたくない事が
あったんですね?
白が、花が、主に嘘
をつく理由など、ひ
とつしかありません
からね…主を護る為
です。

ユウリは溜息を吐き
夢視の目前に手の平
を翳した。
ピクリと夢視の身体
が揺れ、ショウの腕
へと崩れ落ちる。

『夢視!ユウリ先生
何をするんだ!』

ユウリを睨みながら
腕の中の夢視を支え
た。

『夢視様を、こちら
へ』
ソファーへ寝かせる
様に案内する。

『…っ』
ショウは指示に従っ
て夢視を寝かせた。


『心配しなくても大
丈夫ですよ、少し眠
って頂いただけです
話して頂けない様な
ので、直接、記憶に
聞こうと思いまして
ね…』

そう言いながら、ユ
ウリは指先から細い
管の様な弦を伸ばし
た、それを夢視の両
耳の穴に当て中へと
侵入させた。

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