《MUMEI》

私は救急車が走り去った方角を眺めた…。



彼もつられて私の視線の先を目で追う…。



街角に佇み、立ち話にふける少年と少女――…



傍目に見れば、そんなどこにでもあるような光景にしか映らないでしょうね…。




でも―――…




しずか「いま、救急車で運ばれていったのは、のび太さんよ…。



…彼は、もう死んでるわ…。



…殺したのは私よ…。」





その時の私の唇は、そんな言葉を口走っていたのよ――…。

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