《MUMEI》

「人差し指だ……。」

私をずっと捕らえて離さなかった人差し指だ。
人差し指と同封して手紙が入っていた。



――――愛しい君へ
頭のおかしい君が私を殺してくれるんじゃないかと期待していました。
君に殺されるなら僕は僕を許せてしまえるような気がしたから。
弱虫な君、僕を殺せない君には用無しです、でも案外、僕は君を愛し続ける僕が気に入ったので君が一番欲しがっていた人差し指を墓標として捧げます。

この指をいつもみたいに君の胸に刺そう――――




人差し指は先輩の良心だったのだろう、それを切り取った先輩は殺人鬼になったようだ。

巷では女子高校生を狙った通り魔事件が起きて、その度に瓶の中の人差し指は私の胸を刺した。

でも、決して私の住む地域には出没しない。


「もし殺しに来たらどうする?」

小指はふざけてそんな下らない質問をする。
今度こそ殺してあげるに決まっているのに。

私の秘密の場所は今は瓶の中だ。

私を好きな先輩はもういない。
先輩は髪を伸ばして、可愛いワンピースを着ていた。
私のことも忘れてるだろう。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫