《MUMEI》 ユウリはゆっくりと 瞼を開けた。そんな 彼を見つめる不安そ うなショウ。 『少しマズイ展開に なりそうです。』 ユウリの言葉に眉を 潜めるショウ。 『で、白は、今何処 に?』 『多分、レイノルド 殿下の所ですね。』 『なっ、何故?』 『説明は後です、事 態は急を要します。 とにかく…』 ユウリは、ソファー に横たわる夢視に近 付いた。 『夢視様、夢視様? 目を覚まして下さい 。白の居場所が分か りました。』 そう囁き、身体を揺 すった。 『…んっ』 夢視の睫毛が揺れ、 碧の瞳が開かれた。 その後、ガバッと上 半身を起こし目の前 にいるユウリに聞い た。 『白は?』 『夢視様、落ち着い て聞いて下さい、白 は…殿下の所にいま す!』 ユウリの言葉を聞き 青ざめる夢視。 『あぁっ、なんて事 なんだ。白っ、ハク …、白が…』 両手で顔を覆い、う なだれてしまった。 前へ |次へ |
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