《MUMEI》
救助
『私のせいだ。私の
せいで、白が殿下の
所に…』

そう呟きながら夢視
は立ち上がり、ドア
へと歩み始める。


『夢視!何処へ行く
つもりだ?』

ショウが行く手を阻
むが夢視は怯まなか
った。


『…っ、止めるな、
私が助けるんだ。白
を…殿下の手から』

そう呟いた夢視は、
もの凄い殺気を含ん
だ碧色の瞳をショウ
へ向けた。


『うっ、夢視、お前
…』

その瞳は、ショウに
朱里だった頃の夢視
を思い出させた。

立ち尽くすショウを
押し退け、素早くド
アを抜け殿下のいる
部屋へと走り出した


殿下のいる部屋…そ
こは、いつも夢視が
呼び出される部屋。
一部の者しか知らな
い、地下の隠された
部屋である。

『夢視!』

我に返ったショウが
すぐに後を追いかけ
走り出した。


『凄い殺気でしたね
あれが、本来の夢視
様の姿ですか?』

一人残ったユウリが
そう呟いた後…身体
中から赤いオーラを
発した。

…私は、一足先に行
ってますよ、白が心
配なのでね…

バシュッバシュ…
ユウリの足元の床に
腰から伸びた鋭い弦
が突き刺さり、穴を
開け地下を這う。

そして、ユウリの姿
は暗い穴の中へと消
えた。

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