《MUMEI》

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―――ふと、空を見上げた。



どこまでも澄みきった青空が、俺の頭上に広がっている。時折、優しい風が俺の髪を撫でては通り過ぎていく。

視界の端に映る、火葬場の建物からまっすぐ伸びる煙突。そこから、細く白い煙が、そのきれいな空へ向かって、ユラユラと立ち上っていくのが見えた。



心の奥底にまで染み入るような、

あのセルリアンブルーの、その彼方に、

君は、消えてしまったのか。



信じられない気持ちでいっぱいだった。


君が、俺達が生きるこの世界から、跡形もなく消え去ってしまったなんて。


俺は火がついた煙草を口にくわえると、息をするのと同時に煙を肺へ一気に送り込む。喉が焼けるようなそのイガラっぽさに、眉をしかめながら勢いよく煙を吐き出した。


…なぜ、君を救えなかったのだろう。

…なぜ、俺は君の傍に居てあげなかったのだろう。

…なぜ、君とちゃんと向き合わなかったのだろう。


たくさんの『なぜ』が、頭の中を駆け巡り、反響する。

それが無意味だと、判っていても。


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