《MUMEI》 出来杉さんは冗談めかして言うものの、彼のこめかみからは一筋の汗が流れ落ちてゆく――…。 その冷や汗の意味――…。 それは、キラとして覚醒した私への裏切りや謀反… または無粋で無意味な恋愛感情に対して… “私のやり方”で蹴りをつけるであろうことへの恐怖心だったのでしょう――…。 しずか「まぁ…出来杉さんたら…(笑)」 私は目以外の顔の筋肉だけを使って、彼に微笑んであげたの。 出来杉「………………。」 出来杉さんは額に汗を滲ませ、微動だにせず佇んでいる。 まるで彼の動悸と、唾を飲む音が聞こえてくるようだったわ――…。 前へ |次へ |
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