《MUMEI》

リュークは無言のまま、私と出来杉さんのやりとりを交互に見回していたわ。



私は彼の真横に回りこんで、直立不動の肩に腕をかける――…。



しずか「…でも、そこまで分かってるのなら話は早いわ。」



出来杉「…な……なんだぃ……?」



しずか「うふ……そんなに構えなくていいのよ…。(笑)


…もしかすると、今後………アナタの力が必要になるかもしれない…。」



その言葉の先に、私が抱いたある意図の核心が含まれている…。



出来杉「……………………。」



出来杉さんは生唾を飲み、私の唇がどう動くのかを黙って見つめていた…。



私はその唇が触れ合いそうな距離まで顔を近づけ――…



しずか「だから……ね?」



…小さな声で囁きかける――…。

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