《MUMEI》

「はい!

どうされました!?」


「どうなされましたか?」


「何処か怪我なされたんですか?」


「脈拍数はかりますね。」


次々と群がる看護婦さんたち。


「あの!?」


困惑気味の俺に容赦なく突進して来る。


あ……。


顔をしかめていると思っていた看護婦さんは、
どうやら目を細めていただけだった。


目が悪いのか、
やたら顔を近付けて来る。


ちょっと!


いきなり腕をとって、
脈拍を測る看護婦さんまでいた。


「ちょ、待って!」


俺は慌ててその場から後退した。


「聞きたいことがあって来ただけですから!」


すると看護婦さんは、
今度は急にもじもじし出した。


「やーねー、野球青年君。」


一人やけに丈の短いスカートを履いた、
グラマーな女性が近付いて来る。


てか、スカートの丈の基準、
もうちょい長いはずだよな。


違反してんのか?


全く別のことを考えていると、
その女性は俺の直ぐ側まで来て、
俺の顔を覗き込んだ。

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