《MUMEI》 ネオンが迷う理由ネオンは迷っていた。 目の前にいる三人に、キセノンから聞いたエアーの正体や、社長の危険性の話をしてもいいのか、と。 本当は、少なくともクーにだけには、話した方がいいのはわかっている。 社長との接触が一番多く ある意味、エアーより危険なのは、クーなのだから。 でも… クーがエアーを好きで エアーがクーを好きな事は、ネオンにも一目瞭然で 幸せそうな二人が エアーが、社長の妻・ソラリアのクローンであり、植物の遺伝子を持つ特殊な人間という事実により 変わってしまうのではないか …クーが、苦しんだり、悲しむのではないか それが、ネオンが迷っている理由だった。 「ネオン」 「なぁに?」 ひきつりそうになりながらも、ネオンは何とかクーに微笑んだ。 そんなネオンに、クーは 優しく、微笑み、告げた。 「僕なら大丈夫だよ。だから、話して」 「クーちゃ、ん?」 「ネオンが迷う理由なんて、僕の為以外に無いでしょ?」 それが自惚れではない事を、クーは、経験上、知っていた。 「話して、ネオン」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |