《MUMEI》
ネオンが迷う理由
ネオンは迷っていた。


目の前にいる三人に、キセノンから聞いたエアーの正体や、社長の危険性の話をしてもいいのか、と。


本当は、少なくともクーにだけには、話した方がいいのはわかっている。


社長との接触が一番多く


ある意味、エアーより危険なのは、クーなのだから。


でも…


クーがエアーを好きで


エアーがクーを好きな事は、ネオンにも一目瞭然で


幸せそうな二人が


エアーが、社長の妻・ソラリアのクローンであり、植物の遺伝子を持つ特殊な人間という事実により


変わってしまうのではないか


…クーが、苦しんだり、悲しむのではないか


それが、ネオンが迷っている理由だった。


「ネオン」

「なぁに?」


ひきつりそうになりながらも、ネオンは何とかクーに微笑んだ。


そんなネオンに、クーは


優しく、微笑み、告げた。


「僕なら大丈夫だよ。だから、話して」

「クーちゃ、ん?」

「ネオンが迷う理由なんて、僕の為以外に無いでしょ?」


それが自惚れではない事を、クーは、経験上、知っていた。


「話して、ネオン」

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