《MUMEI》

.

 カ――――――ッッ!!


「うわっっ!?」

 突然、光の柱がカメラのストロボよりも強烈な光を切れ間なく撒き散らす。ガラス玉の動きをずっと目で追い掛けていた俺は、光をモロに見てしまい思いっきり目を灼かれた。

「目が……目がぁっ!」

 目蓋をギュッと閉じているはずなのに、赤と白の光がチカチカ瞬いている。涙が溢れて止まらない。


 ぐぅぉぉぉぉおおおぉおぉおおおっっ!!


 今までで一番凄まじい、断末魔の叫びのような咆哮が轟きわたり、殴り付けるような暴風が、光の柱のあった辺りを中心にして吹き荒れる。

「何だ!?何が起こったんだ!」

 目も開かず風の音しか聞こえず。この世の終わりのような状況で、必死に声を張り上げるが、答えは帰ってこない。

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